青山まりの『心も身体もハッピーでGO!』第11回|産後のブラとボディケア

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こんにちは!ブラジャー研究家の青山まりです。今回は、「産後ボディケア」について学びます。出産は、女性の一生の中でも一大事といわれる大きな仕事のひとつでもあります。そして、出産において女性が受ける身体的ダメージはことのほか大きいものです。このため、出産後のボディケアを適切におこなうことが必要となってきます。いっぽう、出産後は、赤ちゃんが可愛いものですので、ついつい、赤ちゃんの世話に没頭し、自分の身体のケアは後回しになってしまいがちです。それで、出産後のボディケアがおろそかになっていたために、その後、体型が崩れたままだったり、体調不調がなかなか治らなかったりということにつながるケースもありますので、できれば、出産前からボディケアを学び、出産後にそなえて準備することがのぞましいです。

妊娠時から臨月までのサイズの変化

妊娠すると体型が大きく変化します。これは妊娠により、女性ホルモンの分泌量が増えるために起きるサイズの変化です。以下は、個人差がありますが、だいたい平均して妊娠してから増える各部位の量です。

トップバスト…約5cm増量
アンダーバスト…約5cm増量
カップ数…1カップから2カップ増量
ウエスト…約20cm増量
おへそまわり…約19cm増量
ヒップ…約5cm増量

妊娠初期のボディケア

妊娠中、約10カ月かけてだんだんと身体の各部位のサイズが大きくなっていきますので、その変化に合わせて、下着もマタニティ用のものに切り替えることが必要です。


 
一般的なブラジャーの使用を続けていると、血行が悪くなるだけでなく、乳腺がおさえつけられ、産後、母乳が出にくくなることも考えられます。また、お腹の部分も、妊娠すると子宮が血管を圧迫し、血液の循環が悪くなりますので、一般的なショーツではお腹を充分に包み込めず、冷えてしまいますので、マタニティ用の下着を用意しましょう。

マタニティ用ブラジャーのポイント

大きく変化するバストサイズに対応するため…カップ部分が伸縮性のある生地でつくられています。

乳腺の発育を妨げないため…乳腺を圧迫しないよう配慮し、ソフトなL字型ワイヤーやノンワイヤー仕様になっています。

授乳用ブラジャーとして着用できるため…クロスオープンタイプや、フロントオープンタイプ、ストラップウインドウタイプなどがあります。

妊娠・出産によって重量を増すバストを支えられる肩紐のもの…幅広のストラップ仕様になっています。

マタニティ用ショーツのポイント

子宮が血管を圧迫し、血液の循環が悪くなり冷えやすくなるので、お腹をすっぽり覆ってしめつけない…伸縮性のある生地でできており、お腹まで包み込むため面積が広くなっています。

ホルモンの影響で肌が敏感になり、汗もかきやすい…汗を吸ってくれて肌触りのよい素材でできています。

おりものの色の変化をチェックできる…白無地のマチ裏がついています。

妊娠中から産後にかけてのお肌のケア

妊娠中は通常のときに比べ、血液中のホルモンの値が高くなり、ホルモンバランスが崩れがちです。

このため、妊娠中は乾燥や肌荒れ、むくみなどが起こりやすくなります。産後は、さらにこの乾燥、肌荒れ、むくみがひどくなりますので、妊娠中からしっかり保湿クリームを塗るなどして保湿をしておきましょう。

出産直後のボディケア

妊娠中も身体は大変ですが、出産後の方が、身体はもっときつくなりますので、出産直後に使う物は、出産前に用意しておきましょう。

<この時期のボディケア>

・出産後10日間

出産という大仕事を終えたあとの1ヶ月間は、とにかく休養を心がけましょう。特に出産直後の10日間は、身体が無意識のうち緊張で固くなっていますので、赤ちゃんの世話をしながらも、リラックスし、自分自身の身体の回復につとめることが大切です。

また、出産直後は、自分の身体が自分のものではなくなってしまったかのように錯覚するほど消耗していますので、可能であれば、プロの人に、全身や足のマッサージをしてもらうなどして、身体のケアができるとよりよいです。

 
・10日過ぎ~1ヶ月の頃

引き続き、充分な休養を取りながらも、身体のリハビリを始める頃です。

<出産直後のバストの変化>

出産直後は乳腺拡張期に入り、痛いほどハリが強くなる時期になります。たっぷりと母乳を蓄えるため、バストのボリュームも一段とアップします。これは、女性ホルモンの働きにより、赤ちゃんの発育に必要と身体が判断するためです。

<この時期のブラ選び>

・出産後から子宮が元に戻るまでの約1ヶ月半を、産褥期(さんじょくき)といいます。この時期は、産褥期用のブラジャーを着けるのが適切です。産褥期用のブラジャーは、肌ざわりがよく、授乳がしやすい仕様のものを選びます。

・クロスオープンタイプ…クロスしている布の部分はカップとは離れているため、片手でサッと簡単に授乳することができます。

 
・フロントホックタイプ…授乳しやすいだけでなく、着替えのときも簡単に着替えができ、寝ても後にホックがないため背中が痛くないので、便利です。

・母乳パッドで母乳のモレを防ぎましょう。

<ウエスト・お腹>

・出産直後から子宮が収縮し始めるとともに、内臓や骨盤も元の状態へ戻り始めます。

<この時期のお腹用下着選び>

・出産後は肌ざわりのよい産褥用ショーツでやさしくつつみ込みましょう。

・デリケートな状態のウエストや腹部は押さえつけないようにすることがポイントです。

・出産直後のゆるみがちな骨盤まわりを骨盤ベルトでしっかりサポートをするとよいです。

骨盤サポートベルトについて

出産時に赤ちゃんが産道を通ったため、出産後のママの骨盤は開いたり、ゆがんだりしている状態です。

最近ではゆがみを押さえ、骨盤をきれいにもとに戻すための骨盤ベルトがありますので、それを利用するとよいです。

産後にちゃんと骨盤ケアができていないと、もとの体型に戻りにくくなるだけでなく、将来、更年期症状が強くなるとも言われていますので、しっかりケアしておくことが大切です。

<骨盤サポートベルトの選び方>

・デリケートなおなかを押さえつけずに、骨盤をヒップの下から斜め上にしっかり支えてサポートしてくれるものを選びます。

・体調や体型に合わせて締め具合を調節できるようになっているものを選びます。

・ベルトタイプなので、かんたんに装着できるようになっているものを選びます。

産後のリハビリ

・腹筋を本来あるべき状態にもどすリハビリ

<うつぶせ>

うつぶせの姿勢は、腹筋が本来の長さに伸びた状態になる姿勢です。このため、うつぶせになるだけでも、身体に本来の腹筋の長さを思い出させることができます。

また、腹部を圧迫することで、子宮が収縮するときの痛みをやわらげたり、腰痛の原因につながる子宮後屈を防ぐ効果もあります。

うつぶせで両足を内股にして脱力し、お尻やももの脂肪がだらっと垂れているのを感じます。この姿勢から、太ももを付け根から外側にぎゅっとひねり、(背中側からみると、太ももを内側にひねる形となる)数秒間キープしてから緩めます。太ももをひねるときは、かかとをくっつけ、つま先を外側に向けるようにします。

産後3ヶ月頃

<バストの変化>

バストサイズがダウンし始め、だんだんとハリもなくなってくるため、下垂やたるみが気になる状態になります。

<この時期のブラ選び>

・バストのサイズ変化をチェックし、サイズの合ったブラジャーを着けるようにしましょう。

・授乳機能のついたブラジャーで、きちんとバストを支えましょう。

<ウエスト・お腹>

ボディラインの戻り具合や脂肪の残り具合に、個人的な違いが出始める頃です。現在のサイズをチェックし、戻り具合にあわせたシェイプアップに切り替えましょう。

<この時期のお腹用下着選び>

・サイズの戻りや体調に合わせて、気になる部分を重点的に引き締め、ボディラインを整えましょう。

・お腹やヒップ、ウエストはハイウェストタイプの産後ガードルで、シェイプアップしましょう。

・シェイプアップしたい部分にパワーネットを使用したサポート機能のついたショーツで、ほどよくお腹を押さえ、すっきりとしたラインに整えましょう。

この時期に始めるとよい有酸素運動

<正しいフォームで歩くウォーキング>

・クッション性のある運動靴または、ウォーキングシューズを履いておこなう

<着地>

・つま先が上がり、かかとで着地をする

・つま先の向きはまっすぐ

<かかとからつま先への体重移動>

・かかと→ 小指側に加重→ 拇指丘で地面を蹴って親指の先で抜く

・指までしっかりと体重をのせる

<足をかえして、指さきに抜ける>

・足の指をしっかり使ってかえすこと

・親指の先に抜ける

産後6ヶ月頃(卒乳期)

赤ちゃんが離乳食に慣れてきて、卒乳する頃です。

<バストの変化>

授乳をしなくなるにつれて、全体的なボリュームやハリが減退。しかし乳腺はまだ活動中で、バストは安定した状態とはいえません。

<この時期のブラ選び>

・卒乳期のブラの特徴

この頃は、赤ちゃんが卒乳しますので、シェイプアップ力のある下着に切り替えるのに良い時期です。具体的には、引き締めたい部分にパワーネットを使っている産後用ショーツ(産後用ガードル)です。

ブラジャーは、バストサイズを測定し直し、サイズが変わっていたら、現在のサイズに合ったものに切り替えます。

・まだ授乳をしている場合は、妊娠前の普段のブラジャーなどで活動中の乳腺を押さえつけないようにしましょう。

・脇のたるみや、バストラインをスッキリ見せたいときは、産後用ワイヤーブラジャーでバストラインを整えましょう。

・卒乳に向けてボリュームダウンしていく時期にかけてボリュームの変化に対応するブラジャーを準備しましょう。カップ部分に伸縮性のあるものです。

・完全に卒乳したら、普段のブラジャーにもどします。妊娠前とサイズが変わっている場合が多いですので、きちんとサイズを測り直しましょう。

<ウエスト・お腹>

産後のシェイプアップも、そろそろ仕上げ。
全身のバランスを考えながら、美しく整えるインナーを選びましょう。

具体的には、シェイプアップしたい部分にパワーネットを使っているものを使います。

<この時期のお腹用下着選び>

・サイズの戻りや体調に合わせて、気になる部分を重点的に引き締め、ボディラインを整えましょう。

・おなかやヒップ、ウエストはハイウェストタイプの産後ガードルで、シェイプアップしましょう

 
・ウェストラインが綺麗に整ったら、普通のガードルにスイッチするのもよいです。妊娠前とサイズが変わっている場合が多いですので、サイズを測り直しましょう。

卒乳時に取り入れるとよい美胸マッサージ

卒乳し、体型がもとに戻るタイミングに合わせ、美胸マッサージを取り入れるのもおすすめです。ジェルやクリーム、オイルなどを使用すると手のすべりが良くなり、心地良くマッサージすることができます。リフトアップに効果的なマッサージで、卒乳後のスタイルアップを目指しましょう。

まとめ

今回は、産後ボディケアについて学びました。出産は身体を作り直す良い機会ですが、同時に心や人間関係、仕事のスタイルもすべて変化するときでもあります。なので、身体のケアをしながら、「これからの生き方」についてしっかりと考え、今後必要なことと、そうでないことを取捨選択することも大切です。「子育てがひと段落したら」ではなく、「子育て」の導入期であるこの時期に、自分の心に向き合い、今後の生き方を決めていけるといいですね。

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[supervisionText]執筆者/ブラジャー研究家・下着研究家[/supervisionText]
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[supervisionAffiliation]「女性の生き方と下着」をテーマに消費者の立場で活動している。バストアップ・エクササイズやバストケア・マッサージなどを開発。新聞、雑誌、ウェブなどの執筆、監修のほか、講演やセミナー、テレビ出演も多数。著書に『ブラの本』(サンマーク出版)、『着るだけダイエット』(東邦出版)など。
■HP:http://mariaoyama.sakura.ne.jp/[/supervisionAffiliation]
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