青山まりの『心も身体もハッピーでGO!』第7回|小・中学生のはじめてのブラ選び
こんにちは!ブラジャー研究家の青山まりです。今回は、「はじめてのブラ(小・中学生のブラ)」を学びます。下着の悩み相談室には、「どう子供に教えてよいか…」と、女の子をもつ親御さんから相談がよく寄せられます。
できれば一番身近なおとなの女性であるお母さんが相談に乗ってあげるのが理想的です。私の母親世代が思春期を迎えたときは、ブラジャーがまだ一般に普及していなかったときでしたので、お母さんの手作りのブラジャーを着けていたという、心あたたまる話をよく聞きました。
今は、豊富に良いブラジャーが売られていますので、ブラジャーを手作りする必要はなくなりましたが、お母さんになったときは、娘に身体に合ったブラジャーを着けることの大切さを伝えたいものです。
はじめてのブラのつけどき
はじめてのブラジャーのつけどきですが、女の子の身体に変化が出始めた頃から着けるのが適切です。
だいたい女の子は10歳くらいから女性ホルモンの分泌量が増え始めますので、バストが膨らみ始めます。けれども、これには、個人差があります。実際、自分自身の思春期の頃のことを思い出してみても、まだ、小学生時代は、体育で着替えをする際に、バストが顕著に膨らんでいた女子は、あまりいませんでした。
バストは生理前後から膨らみ始めますが、このはじめての生理も個人差があり、早い女の子は、小学校4年生くらいできますが、中学3年生で、中には高校生になってから生理がきた、と証言している女の子もいますので、個人間でかなり開きがあります。
はじめてのブラの選び方
バストが膨らみ始めたら、バスト部分が立体的になっているブラジャーを着けるようにしましょう。成長期ですので、バストの成長を妨げないよう、やわらかく、伸縮性のある生地でつくられているところがポイントです。ジュニア用のブラジャーが、ワコールさん、セシールさん、アツギさんなどから発売されています。成長途中にありますので、おとな用ではなくジュニア用を着けるといいですね。
はじめてのブラ着用時の身だしなみ
ブラジャーを着けるようになったら、ブラジャーがブラウスの上に透けてみえないよう、ブラウスとブラジャーの間に、1枚キャミソールなどのインナーを身に着けることがエチケットとなります。
バストサイズの測定
バストサイズは、できれば他の人に測定してもらいましょう。お店では、店員さんが測定してくれます。お店にいけないときは、おうちで、お母さんに測定してもらいましょう。
わたしは、ちょうど初めてのブラを着けるとき、母親が病院に入院中でしたので、自分でお店に行って、店員さんに測定してもらいました。
店員さんは、とても親切に、測定するだけでなく、適切なブラをもってきてくれたりしますので、わからないことを聴いて、いろいろと教えてもらうことができます。
家庭での小・中学生のバストサイズの測り方
<お母さんが測定するとき>
用意するもの…メジャー(巻尺)、スタンドミラー
スタンドミラーに横姿が写るように立ちます。そうすると、メジャーを背中にまわしたときに、背中で、メジャーがたるんでないかをスタンドミラーでチェックすることができます。
バストの膨らみの一番高いところを先に測ります。
メジャーを背中にまわし、メジャーの左右はバストの上で重ね、数値を読み取り、メモします。
次に、アンダーバスト(バストの膨らみのすぐ下)を測り、メモします。
サイズの見方
トップバストサイズからアンダーバストサイズを引き算すると、カップサイズが計算されます。
カップサイズは、トップバストサイズとアンダーバストサイズの差が10cmのとき、Aカップ。12.5cmならBカップ、15cmなら、Cカップ…というように、2.5cm増えるごとに1カップサイズ上がっていきます。
たとえば、トップバストが85cmで、アンダーバストが75cmであれば、差が10cmになりますので、Aカップになります。
<カップサイズ表>
トップとアンダーの差 | カップ |
---|---|
10.0cm | Aカップ |
12.5cm | Bカップ |
15.0cm | Cカップ |
17.5cm | Dカップ |
20.0cm | Eカップ |
22.5cm | Fカップ |
25.0cm | Gカップ |
27.5cm | Hカップ |
30.0cm | Iカップ |
トップバストとアンダーバストのサイズの差が10cmに満たないときは、トップバストサイズのみで決める「S,M,L」のサイズ表記のあるものを選ぶとよいです。個人差もありますが、サイズは頻繁に変わりますので、3ヶ月ごとに測定し直し、そのときのサイズに合ったものを着用するようにしましょう。
バストが成長してきたら
小・中学生は、バストが成長過程にありますので、どんどん成長していきます。
バストが成長してきたら、ジュニア用のブラでも、ファーストブラタイプからノンワイヤーブラタイプや、やわらかい樹脂でできたワイヤーのはいっているブラタイプに移行していきます。
ファーストブラタイプから、ノンワイヤーブラタイプややわらかい樹脂でできたワイヤーのはいっているブラタイプに移行したときは、ブラジャーを替えると同時に、正しいブラの着け方で着用することを覚えましょう。
ファーストブラタイプの特徴
ほんのりとバストがふくらみ始めた、初潮の1年くらい前あたりから着けるブラタイプで、形は、スポーツブラのような形をしたタイプと、ブラトップがついたキャミソールのような形の2種類があります。この頃のブラジャーは、「乳頭が衣服にこすれないようにするため」「乳頭を目立たせなくさせるため」に着ける目的で設計されていますので、バスト部分が二重の構造になっています。
ノンワイヤーブラタイプの特徴
初潮がきて、バストのふくらみが横に広がってきた段階で着けるブラジャーです。この時期は、バストが揺れるために動きにくかったり、また、バストが揺れて痛い…ということが起こりますので、「バストの揺れ」から守る目的で設計されています。特徴は、成長期ですので、成長を妨げないよう、ワイヤーがなく、伸縮性のあるソフトな生地でつくられています。
やわらかい樹脂でできたワイヤーのはいっているブラタイプの特徴
バストが丸く、立体的にふくらみ、大人のバストのようになってくる時期に着けるブラジャーです。特徴は、成長に合わせゆるやかなカーブしたワイヤーがはいっており、このワイヤーは、バストを圧迫しないよう、やわらかな樹脂でできています。
何歳くらいからおとな用のブラに着け替えるタイミングは、目安は、初潮からだいたい3年くらい経ったら、おとな用のブラに着け替えます。
ジュニア用ブラの着け方
<背中の部分にホックのついていないノンワイヤーブラの着け方>
背中の部分にホックのついていないノンワイヤーブラの着け方は、上からではなく、足元から穿いてバスト部分にまでもってきてから肩紐をかけます。
肩紐をかけたあと、お肉がブラジャーからはみ出していないかチェックします。もし、お肉がはみ出しているところがあれば、ブラジャーの中に移動させます。
<背中の部分にホックのついているやわらかい樹脂でできたブラの着け方>
背中の部分にホックのついているやわらかい樹脂でできたブラの着け方は、以下のような手順になります。
- まず、両方の肩紐を手に通した状態で、カップにバストを合わせます。(※前かがみになると合わせやすいです。)
- 次に、後ろに手をまわし、ホックを留めます。
- 両脇に流れているお肉をカップの中に集めます。
- 肩紐をちょうどよい長さに調節します。肩に人差し指をあて、ストラップと肩の間に人差し指一本はいる隙間があるくらいが適切です。
- ブラジャーの後ろの部分が肩甲骨の下にくるように、アンダーベルトの位置を下に下げます。
ジュニア用ブラは大人用ブラとは違う
百貨店で、ジュニア用ブラジャーは、おとな用の下着売場ではなく、階の上のほうの子ども用品売り場にジュニア用ブラジャーは置いてあります。場所がわからないときは、受付の案内係の人に教えてもらうといいですね。
ジュニア用のブラは、バストの成長を妨げないよう、ワイヤーがなく、伸縮性のあるソフトな素材でつくられているのが特徴です。バストを摩擦や衝撃から守ってくれたり、揺れを少なくしてくれたりと、おとな用の「胸を綺麗にみせる」ためのブラと違う役割があります。
ことに、立体的に膨らんだバストは、外見上は成人バストに似ていますが、成長過程のバストは、成人女性に比べて肉質が固く、高い位置にあります。このため、設計が違う設計になっていますので、おとな用のブラではなく、ジュニア用につくられたブラを着けることがのぞましいです。
身体に合わないブラを着けたときの悪影響
今はおとな用のブラも種類が豊富になり、わざわざジュニア用のブラでなくても、おとな用のブラでも普通にまかなえるのでは…と、考える親御さんもいらっしゃいます。
何故、おとな用のブラだとふさわしくないのかは、おとな用のブラは、バストの形を綺麗に見せるために補整力を強くし、金属製のワイヤーを使っている場合があるからです。この金属でできたワイヤーがはいっているものを成長期の女子が着けると、成長に必要な血管を圧迫してしまいます。しかも、どのブラに金属製のワイヤーがはいっているのかを表からは見ることができないので、知らない間に金属製のワイヤーのブラを着けてしまっている危険性があるのです。
なので、成長期は、おとな用のブラではなく、たとえワイヤーがはいっていても、血管を圧迫しないやわらかい樹脂でできたワイヤーでできたジュニア用のブラを着けることがのぞましいのです。
バストアップのためにジュニア期にしておくといいこと
「早くバストアップしたいから」…という理由で、最初からおとな用のブラを着ける人もいますが、それものぞましくありません。
将来、大きいバストにしたい人こそ、成長期は、ジュニア用のブラをつけ、バストの成長を妨げないようにし、初潮が終わってから3年くらい経った頃、おとな用のブラに着けかえるようにしましょう。
将来、大きいバストにしたいという強い意識をもっている方は、このジュニア用のブラジャーの段階から、常に正しいサイズを測定し、サイズの合ったブラを着ける…という習慣を身に着けるようにしましょう。
また、ファーストブラタイプから、ノンワイヤーのブラタイプややわらかい樹脂でできたワイヤーのはいっているブラタイプに切り替えたら、正しいブラの着け方でブラを着用する習慣をこの頃からつけておくと、将来、より大きなバストに成長させることができます。
まとめ
さて、「はじめてのブラ(小・中学生のブラ)」は、いかがでしたか?はじめてのブラは何歳から着ける…という決まりがあるわけではありませんので、体型変化をよく観察し、もし、小学校低学年でも変化がみられたらそれに合わせて対応してくださいね。それから、思春期は、身体が大きく変化するとともに、心の揺れも起きるものです。個人差がありますが、他人と比較し、「初潮が来るのが自分は何で遅いんだろう…」といった悩みをかかえずに、早いからどう、遅いからどう、ということはありませんので、「人、それぞれ、個人差があって、遅い人は遅いのだから、大丈夫!」と思うようにしましょう。
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[supervisionText]執筆者/ブラジャー研究家・下着研究家[/supervisionText]
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[supervisionAffiliation]「女性の生き方と下着」をテーマに消費者の立場で活動している。バストアップ・エクササイズやバストケア・マッサージなどを開発。新聞、雑誌、ウェブなどの執筆、監修のほか、講演やセミナー、テレビ出演も多数。著書に『ブラの本』(サンマーク出版)、『着るだけダイエット』(東邦出版)など。
■HP:http://mariaoyama.sakura.ne.jp/[/supervisionAffiliation]
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